絆創膏

夜中に突然、「包丁で指切った」などと連絡が来たので、あわてて絆創膏を持って会いに行った。

 

行くと呑気に刺身を食って、左手の指には血で真っ赤になったティッシュがぐるぐる巻き。

頼むよ、泥酔してる時に刃物持たないでくれよ。

 

もうすぐ夜も明けるであろう頃なのに、何故か日本酒を飲みながら泥酔した山猫の夕飯に付き合った。

付き合いながら、「別に来て欲しくてメールしたんじゃない」とか、昔の女の話をされて、なんだか非道く、虚しくなってしまった。

 

彼は何を確かめたいのだろう。

心配させ続けないと、私がどっかに行くとでも思っているのだろうか。

安心しながらだってきっと、変わらず傍にい続けるのに。

どこかへ行ったとしても、ちゃんと帰ってくるのに。

 

私は山猫の心のどこに絆創膏を貼ってあげたらいいんだろう。

ときどきふと思う。

私が彼を産んであげられたならよかったのに。

そうしたら窒息しそうなくらい抱きしめて猫っ可愛がりして、一生寂しいなんて思わないでいられるくらい、大事にして、手放してあげられたのに。

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